ベリーダンスの舞台で、ひときわ目を惹く圧倒的存在感のファンベールをご覧になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。風を切って舞う姿は華麗な天女のようにも見えます。
ファンベールとは、ベール(veil)がついたセンス(fan)のことをいいます。
近年のベリーダンスで、小道具として使われるようになりました。
中国には大きな扇子を使った伝統舞踊がありますが、ベリーダンスではヴェールの表現をとりいれて、ダイナミックで華やかな踊りとして人気の演目となっています。
ファンベールの素材はやはりシルクが代表的。シフォンやポリエステルもありますが、空気を含む流れるような美しさはやはりシルクにかないません。センス部分は竹でできているものが一般的。選び方でいいますと、パッと引っ掛かりがなく開くものがよいでしょう。見かけの軽やかさとは反対に扱いはとても大変なファンベールです。重すぎず太すぎないものを選びましょう。また、ベールは長い方が難しいですがその分、美しい軌跡を描いてより優雅なイメージになります。
ファンベールを美しく踊るコツは、空気の流れのラインを意識して踊ることです。手首をしなやかに使って、全身もいっぱいに使ってベールの先まで空気の気持ちになって流していきます。ダイナミックにファンベールと一体になって踊る瞬間はとても気持ちが良いものです。音楽に合わせて、強弱をつけながらの舞はとてもドラマチックですよね。
ファンを操るのはとても大変ですので思わず表情もかたくなってしまいますが、表情の表現もとても大事です。ファンベールはあくまで脇役ですので、ご本人はあたかも何も待っていないかのように自然体で動かしていけたらよいですよね
ニケラベリーダンスの発表会でも毎回ファンベールが登場します。今年はどんなファンベールが観れるでしょうか。どうぞご期待ください。